ライトノベル E.G.コンバット レビュー

タイトル E.G.コンバット1st〜3rd
著者 秋山瑞人
原作 ☆よしみる
イラスト ☆よしみる
出版 電撃
発売日 1998年6月〜1999年7月


執筆者:jade 各巻評価:A→S→S
「イリヤの空、UFOの夏」「猫の地球儀」でおなじみの秋山瑞人氏のデビュー作。

地球が敵性生物「プラネリアム」に襲われ、女性の月への強制疎開が余儀なくされた時代。
北米総司令部最年少大尉ルノア・キササゲは女性ながらも奴らとの戦いにおいて功績を挙げ続ける英雄的な存在だった。
しかし彼女はその若さと人気ゆえにライバルの策略によって前線を外され、月に戻されることになる。彼女に与えられた任務は訓練校の教官。
そこで彼女を待ち受けていたのは訓練校史上最大の問題児と言われる5人組だった─

というのがあらすじ。
そこから彼女とその教え子たちの成長が描かれていきます。

1巻ではルノアが教官としての自分を確立していく過程と問題児だった教え子たちが潜在能力を発揮する姿、2巻ではより実戦に近い教習の中で起こったアクシデントによって危機的な状況に陥ったルノア隊の奮闘、3巻では規則に背き地球に向かった一行が直面した過酷な現実がそれぞれ描かれています。

ルノアはマニュアルを無視した勝つことよりも生き残ることを重視したカリキュラムを組み、教え子たちに優秀な結果(成績にあらず)を残させることに成功します。
それが後々問題を生むことになるのですがその原因は訓練校のカリキュラムが現場をまったく理解していない何の役にもたたないマニュアルであり、それを理解しているのは現場を経験しているルノアだけという状況のため。
それに対し地球の戦況などまるで理解していないお偉方はただ盲目的に古いやり方を強制しそこからはみ出す者は理由はどうあれすべて否定する保守的な立場を貫き通すのみ。そのため衝突が避けられなくなることに…
このような構図は現実世界の様々な場面に当てはまり、現代社会を風刺しているかのように感じました。
本来はキャラの成長物語に目を向けて楽しむべきなんでしょうが常に作品の裏にテーマを込める秋山氏の作品なだけにどうしても穿った目で見てしまうのですよ(苦笑

個人的な評価はE.G.>>イリヤ>猫といった感じ。
原作・原案は☆よしみる氏なのでこの作品を秋山氏の代表作とか最高傑作という表現は語弊があるので使いませんが作品の質はイリヤ以上なのは間違いありません。

これもまだ完結してない作品に対して言うセリフではないですけどね(汗
そう言わせるだけのパワーがこの作品には込められているということを理解していただければと思います。

ただこの作品は残酷な描写といい深いテーマ性といい、良い意味でライトノベルには似つかわしくない作品だと思います。そういったところから私的にはイリヤの方が純粋に楽しめるので好きだったりします。


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